情報探索の基礎


基礎編

情報は複製しても価値が変わらないという特徴を持ち、娯楽的情報と問題解決情報に分類される。情報探索は後者に当たるので情報収集時に問いを持つことが重要である。問いとは、既存の論理に対する違和感から生まれる。情報の探し方は索引法・芋づる法・現物法がある。研究においてAtoZで欠かせない文献探索を行うにあたり以下のことに気を配ること。

1.面白いことを見つける
2,事実や実態が分かる資料・理由が分かる資料を探す
3.なぜか? という疑問を発し続ける。

キーワードを選択するにあたって以下のような拡大をするように心がけること。
関連・類似・一般化・具体化・上位や下位の概念・反対語・文字表記の違い・省略形・単数複数・ローマ字表記・英語表記

次に、検索エンジン・データベースに共通する情報探索の基礎について述べる。

AND検索: 検索エンジンの場合は単純にスペース。スペースは全角と半角どちらでも同じ
NOT検索: 検索エンジンの場合は-
フレーズ検索: " "で語句を囲む。数字・記号を含む語句の場合特に必要
前方一致検索:あいまい検索とも呼ばれている。*の後は任意の語が続いてもよい。複数形が気になるとき medi* でmediaとmediumの両方を検索できるので便利。
検索エンジンでは使えないので注意 > 現在のgoogleでは使えるらしい

ワイルドカード検索:wom?n は woman womenの両方に対応する。
ゆらぎ検索:+単語 で打つ 
類義語・同義語の調べ方: googleで普通に類義語を検索するほかに以下のやり方がある。
             キーワードの先頭に~(チルダ)を付ける検索。
             シソーラス辞書の活用

研究室に所属している学生の場合は以下の方法でも情報収集ができる。

・検索をする前に研究室内の先輩にキーワードを尋ねる
・卒論・修論/・学位論文を見る
・実験の現場を実際に見る > 現場経験


検索エンジン編

google, yahooなどに代表される検索エンジンを用いて検索を行うときに便利な検索オプションについて紹介する。

とは 検索 > 用語の検索
まとめられたサイトをみたい > 動向 現状 進歩 などをキーワードに盛り込む
検索オプションを使う > 検索の「設定」から「検索オプション」を利用できる。
他のキーワード(検索結果に表示される別の検索条件)の積極的な利用
言葉の意味を調べる > define: を使う。
サイト検索: site:go.jp > 政府系のサイト や サイト内検索に有用
資料検索: 相対性理論 filetype: pdf や filetype: xls で統計資料を手に入れられる。

タイトル検索: intitle: を使う
△特殊構文検索: intext: テキストの中にキーワードがある者のみ
△同じキーワードを複数入れるとそのキーワードが強調された検索となる。
△キャッシュの利用 > つぶれたサイトの過去の記録見れる

・サイトの信用性の評価ポイント

作成者が明記され、連絡できる状態にあること
引用が明記されていること
情報が頻繁に更新されていること
リンクの数が多い
△Pagerankが高い


データベース編

Web of Science, SciFInder scholar JdreamⅢ, など論文探索の時に用いるデータベースの検索の仕方、文献の入手の仕方、特許情報プラットフォームなどの活用法について紹介する。
論文検索データベースは基本有料である。中でもWeb of Scienceはおそらくもっともメジャーである。JdreamⅢは個人で購入できるという利点がある。google scholarは無料で提供されているが、reviewによる絞り込みができない、詳細検索オプションが雑であることなど多くの問題を抱えており正直使い物にならない。また、日本語に限った資料探索を行いたい場合NDL-OPACが有用であるがやはり真の情報探索にはならず学校の課題程度までしか利用できないと私は考えている。

・検索範囲を絞りたいとき
資料の種類で"review"を選択
検索オプションの活用
被引用数の多いもの(100以上など)を選択する
△検索フィールドを指定

・もれなく検索を行いたい・うまく出てこないとき
類義語・同義語を調べて検索
自分が読んでいる論文の被引用文献を見る
△論文の出されている雑誌の種類などを辿り同分野のものを選ぶ
△同じ著者の一連の論文を探す
△アラート機能・RSS機能を活用する。

論文の入手は基本的に大学の提携先からということになるが、ここではgoogle scholarとScihubについて紹介しておく。google scholarは合法だが載っているものがそんなに多くはない。逆にScihubはかなりの確率で論文を入手できるが違法性があるためVPNなどを活用して自分がアクセスしていることが分からないような状態にしてアクセスをするべきである。論文名を入力してもデータが出てこない場合はDOIを代わりに入力してみると出てくることも多い。

特許データベースは基本的に無料で使える。特許電子図書館などが役に立つしこれで十分のようだ。現在は改名して特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)という名前になっている。しかし、実際には特許データベースを使うよりかはgoogle で普通に検索するほうがヒットするような気もしなくもない。特許情報の「詳細な説明」は特に参考になる。


その他

・質問サイトの活用

一般にはyahoo知恵袋が役立つ。
PC・プログラミング関係ならteratailが強い (他のサービスと比較したことがないため分からない)

△困ったら図書館の人に聞くのも手

github を使ったソースコード検索

秘匿にされがちな企業が行う研究は企業の研究所が行っているインターンシップの募集要項に記載されている「研究テーマ」が意外と参考になったりする。


参考文献

理系のためのインターネット検索術―ホンモノ情報を素早くみつける (ブルーバックス) 時実 象一
理工系のネット検索術100 理工系のための情報収集術 (サイエンス・アイ新書) 田中 拓也,芦刈 いづみ,飯富 崇生
自分でできる情報探索 (ちくま新書) 藤田 節子
資料検索入門 ― レポート・論文を書くために (アカデミック・スキルズ) 市古 みどり,上岡 真紀子,保坂 睦
大学生と「情報の活用」―情報探索入門 (京都大学全学共通科目講義録) 長尾 真,川崎 良孝

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